喪女の結婚

あるいは幽霊を見ないこと

自分が自分じゃないみたいな夜

多分、深夜にラブレター書いちゃう精神なのだろう。ぐずぐずと眠らず、だらだらと起きている。

グラタンやアヒージョにうつつを抜かしている場合ではない。モジョのケッコンなのだ。なんか、それっぽい非モテとかモテとかのブログとか読んでいたら、夜が更けていて、本当に図星で情けなかったりモテが羨ましくて情けなかったり、するする身体を情けなさが充満していった。情けなさは原動力である。

そして、とうとう第一歩として、異性と話そうと思った。異性すなわち異星である。異なる星の住人である。怖い!家を出ることがすでに怖い!

そもそも、私の自己評価と客観的な評価が恐ろしく差異がある。自信がなさそうに見えるのは、傲慢なほどの自信過剰を隠すためなのだ。イケメンだよ、私。可愛くないけど、イケメンだよ。世界で一番綺麗で可憐なイケメンだと思っている。鏡を見るたびにうっとりする。肌荒れとか粉ふきとか、髭とか生えてきた悪い眉毛とかナイフの傷みたいに細い目とか、気にならず(恣意的な目をしている)、なんかすごく肯定的にイケメンだと思ってしまうのだった。センシティブな肌は繊細な精神の表れであり、傷は荒ぶる情熱の血潮の表れであり、髭や脂肪は豊かな生命力とユニセックスな魅力を私にもたらしている。王子様がラクダに乗ってやってきて(王子はシークである)、私の隠しても隠し切れない美質を理解して、あらゆる満たされなかったことを満たしてくれるだろうという幻想で生き延びている。おお。

違うんだよ、違うんだよなー、それじゃダメなんだよなあ。現実見ろよなー。

あらゆる人に好かれるなんて無理だって分かっているのに、あらゆる人に好かれたくって、たまに天性なのか、ありのままで好かれちゃう人がいて、そういう人って好かれることにも無頓着で、無頓着なところも含めて羨ましすぎて憎い。とっても憎いのです。

ありのままって言っても、行動や言動一つ一つがああ好かれる人ですよお!って納得がいくのですが。

その力を欲して手に入れられず欲求不満に陥った私は間接的に力を手に入れようとします。それが彼氏なのです。私が惹かれるのは天性のタラシとか、無人島に放置されてもその辺の動物さんたちと仲良くなってしまいそうな人についつい惚れてしまうのですが、それって、自分が得られない力を持っている人を自分と特別な関係に置くことで欲求を満たしたいってことで、ものすごくやましいし卑怯なんじゃないの?って思ってしまう。一方で、まーいっか、そういう力も含めて欲するんだもんなーと妙にゆるゆるな自分もいる。この問題は放置。ずっと放置したままだけれども。

深夜のテンションは、週末に初めての婚活パーティを申し込ませた。美容院行くべき?でも今からじゃ予約が取れないし給料日が来たはずなのにお金がすでにかつかつだ。

ネイルサロンとか、服買ったりとか、濃い化粧の練習とか考えたけど、難しいな。死にたい星人が来る前に、意識を眠りの国へ移そう。死にたい星人も異星人のはずなのに、なぜかよくお話ができるね。