喪女の結婚

あるいは幽霊を見ないこと

もじょが新しいことをした②婚活パーティとその代償

ついに婚活パーティに行ってしまった。初めての婚活パーティ。

教訓:可愛いは正義。そして喪女は騙される。馬鹿だと自覚している喪女は、それでも疑うことを知りなさい。

 

まず、異性と話すことに慣れるのが目的で、そこまで期待もせず、うおおおおおって気合入ってもなかった。その割に、髪型で四苦八苦して3時間くらい時間をかけて準備してしまった(結局失敗)。服を買おうと思っていたけれども、結局いいものが見つからずに買えなくって(こういうところが全く決断力がない)、手持ちのしまむらスタイルで参戦。ナイロンのボマージャケット(家族のを借用)に、しまむらのタイトスカート、ヒール靴、頭にはスーパーフライみたいなのをつけたいで立ちのデブスはまさしく進撃の巨人であった。

 

場所は場末のカフェバー。なんか見た目すごいところだけどここでいいのかなあと入れずに(チキン)入り口あたりをウロウロしていると、綺麗なお姉さんが同じようにウロウロしている。もしかしてこの人も参加なのかな?と思いながら、絶対に彼氏とか途切れたことなさそうな感じだしそりゃないわなと一旦スルーする。でもしばらくたっても会場の方をずっと見ているし、私も一人で入りづらかったので、ええいままよ、と思って視線を交わしてもしかして……と声をかけると、めっちゃハイテンションで私も参加なんです!とのことで、一緒に会場へ突撃。外はボロボロだったけど中は普通のカフェバーだったのでよかった。有線放送かなんかだったと思うけど、妖怪体操がずっと流れていてシュールだった。お姉さんめっちゃテンション高くて、知り合いのテンション高い子の雰囲気に似ていて、あと私自身が風邪を引く前(後述)はやたらテンションが高くなってしまって、結構意気投合してしまった。

 

男女二人ずつがペアになって、しばらく話して回転寿司になるスタイル。最初の兄ちゃんは車で来たにもかかわらずビールを飲みやがる。その時点で私は(こんなこと言える立場じゃないかもしれないけれども)ドン引き。酔いが冷めるまで時間を潰してから帰るって言ってたけど、飲んだら乗らない乗るなら飲まないだろ!って思って、おせっかいかもしれないけど帰りに注意というか、絶対飲酒運転はせずに帰ってくださいね、みたいなことを言ってしまって、こういう委員長みたいなところがダメなんだろうか。でも法令遵守って、結構最低限のラインだと思っていたのに、そういう人を見つけることすら難しいのか?自分の価値観が凝り固まり過ぎているのだろうか……。最初のテーブルはそれぞれ一人参加の飲酒さんと院卒の人。この人が一番私はいいなと思えたけど(あんまり話してはないけど、真面目そうな感じ)彼は繁忙期で途中で仕事の電話が入ってあえなく退席……。

次は、SEの男性。ごめんなさいあんまり覚えていない。写真が趣味で、お姉さんも写真が趣味だったので、彼女がすごく盛り上げてくれた。

次は若い男性二人組。リア充臭い感じ。あんまり自分のこと話さないし、趣味とか書くカードを最初にもらったのだけれどもそこも書いていない。リアリストっぽい話し方で私はこういう冷めた感じが割と好きだった。途中私と綺麗なお姉さんが二人の世界に入ってしまっていて、二人の間にwifi飛んでない?とか言われてしまった。それが私にはすごく嬉しかった(後述2)。連絡先交換タイムになっても交換せず。トイレで席外しているうちに、二人が「君らテンション高過ぎてついていけないよ」みたいなことを言われたらしく、「戦略間違えたかなー?もうちょっとおしとやかにしたほうがいいの?」みたいにお姉さんが悩んでいた。

そして最後のテーブル。最年少のお兄さん方。おしとやかに行くよっ!ってお姉さんが言っていたけど、終始お兄さんの一人が買っている爬虫類の話になって終了。お姉さん、爬虫類の話に食いつき過ぎや!(それもある種戦略なのかな?)

そしてお開き。最後のテーブルの兄さんのうちの一人が歩きタバコをしていた。歩きタバコはいけませんよ……と私の中の委員長が反応して、挨拶ライン(多分、綺麗なお姉さん目当て)が来ていたけど当たり障りない返事をして流してしまった。飲酒兄さんが酔い冷めるまでカラオケ行きません?ってお姉さんを誘っていたけれど、お姉さんはうーんって困った顔をしていた。困った可愛い顔だけで断われるってすごいなー、と感心する。お姉さんと帰りの電車が一緒だったので、しばし話して別れる。

 

お姉さんのおかげで、婚活パーティ怖いと思っていたけれども、男の人の方面の実りは薄かったけど、すっごく楽しかったなーと充実感でいっぱいだった。しかし、帰路から違和感。家に帰るとなんかすごい悪寒がする。これはやばいと思って、熱を測ると39度台まで上がっていた。風邪の予兆が全くなかったので、なんで?なんで?と思いながら、頭が半分スピリチュアルな私は、これは今日出会った人がよくなかったのでは?という思いに駆られる。

熱が上がるだけ上がって落ち着いてくると、発熱前の浮かれたテンションも落ち着いて来て、冷静な気持ちになってくる。そして、気がついた。あのお姉さん、ネットワークビジネスのお姉さんなのでは?私は、いい鴨なのでは?そう思うと、違和感を覚えていた事柄の点と点が線になって繋がった感じがした。

まず、私と彼女のスペックが違いすぎる。私がめっちゃ喪ブスだから、こんなんと関わろうとしてくれる人がいるなんて考えてしまう時点で(しかもすごく綺麗な人)身の程知らずだよね。出会ってすぐに、「えー、なんかこれすごい運命!連絡先交換しよ!」っていうあたりも怖い。

次に、職業。公務員→退職して自宅で塾講師の準備中。ずっと夢だった教育関係の仕事に就きたい★半年後に開設予定で、英語も教えるから英会話も習わなくっちゃと思っています、とのこと。実際の職業内容等はフェイク入れてるけど、この夢とか何とかいうあたりが胡散臭い。テンション高かった時は自分の夢叶えようと頑張っているんだすごいなー!って素直に思っていたけれども、よくよく考えると、前職在職中にもっと準備しなかったのかなっていうところとか、実は離婚歴があって子どもも複数いるという結構しんどい状況なのに、英会話習うとか、塾開くとかやたら余裕があるけど大丈夫?っていうところが怖い。公務員も、本当に正規社員さんだったのかな?とか下種の勘繰りをしてしまう。

昔、お客様にシングルマザーの方とかよくいらっしゃって、そういう方って、頑張っている方もいるけど、低きに流れる方は本当に低きに流れてしまって、不倫とか不特定多数の方と遊んでまた子供を作ってしまったり……というパターンで家の中めちゃめちゃになっているような場合もあるので(色々大変なのは分かるけど)、彼女は既婚者を好きになってしまっても、頑張って諦めようって思ってここに来たんだ、っておっしゃるあたりにすごく感銘を受けて、彼女のためにできることならなんでもしたいなあって気持ちにさせる不思議な方だった。そのことを込めて(悪寒直前でテンション高かった)別れた後、今日はありがとうございますって感謝のラインを送ったら、すごく重苦しい文章になっていて、深夜のラブレター状態で死にたい気持ちになっている。結局私の性格が重くてひどいんだよね!

もしネットワークビジネスの人だったら、あの場で私も一緒になってワイワイやってたことで犯罪の片棒担いじゃったよーと恥ずかしい気持ちでいっぱいです。で、もしネットワークの人じゃなかったら、無邪気な人に対して疑いを持ってしまった自分を恥ずかしく思う気持ちでいっぱいです。どちらにしろ、次に会うときに分かることなので、それまではあれこれ思い煩うことはエネルギーの無駄遣いだ。

 

そんなわけで、二日間高熱に苦しみ、明日こそは熱が下がっているといいです。でも、会社休みたいです。明日は会議があるから、休めないかな……休んでいいかな……。