喪女の結婚

あるいは幽霊を見ないこと

家を出るとき

家を出ようと思った。ボウナスがもし出たとしたならば。

こたつ布団と、ベッドと、マットレスと、布団カバーと、ピローケース。

ゴミ箱、カーテン、オーブン、美容院に行って、歯医者に行って、妄想は膨らむのに、妄想の中ですら貯金がチクチク減っていくのだ。

ベッドはダブルがいいなあなんて言うのは、夢見がちな喪女ゆえの発想なのでしょうか。寝具ぐらい夢があっていいじゃないか!

ミーハーでブランド大好きなので、ウィリアム・モリスのカーテンにしたいなって思って、通販サイトに載っている商品を見ていたら、カーテンだけで20万円近くの計算になる。な、なんだってー!でも可愛いよね。物欲にまみれて、日々はとっとと逃げ去って、私はそこを出られずに立ち尽くしたままなのだ。