喪女の結婚

あるいは幽霊を見ないこと

棚から耐熱ボウル

棚から耐熱ボウルが降ってきて、割れた。突如粉々のガラスが目の前に現れて、しかも破片の一部が服に刺さっていてよろしくない気持ちだった。片付けている間とても惨めな気持ちになった。

ジムへ久しぶりに行った。体脂肪率37パーセントだった。さすがに測り間違いか?69キロだったし、一日で2キロ増えるもんかね。

胸襟を鍛える器具を押して、自分の情けなさを押しつぶすように胸襟を鍛えていました。その間に碌でもないことばかり思考が頭を巡って、発狂しそうになります。

喪のくせに、自分が本能的にものすごく男好きだって知っている。だから、結婚したり付き合ったりすることって、一生米だけ食べろよ?パン食うなよ?パスタもうどんもダメだよ?って言われている気持ちになって、怖くなってしまう。あるいは、私の好きなもので例えると、一生ラヴェルしか聞いちゃダメだよって言われているような。確かに、一生ラヴェルしか聞かなくても大丈夫なくらい好きだけれども、もし他のがうっかり聴きたくなることってあるじゃないか。ラヴェルが嫌いになったとかじゃなくても。そういう場合、ラヴェルを聴きながら心の中でドビュッシーを流すって方法もありだけど、そういうのはやっぱりなんかラヴェルの美しい曲に対して不誠実な気がするしでできないと思う。だから一生ラヴェルを聞きますっていう契約が怖い。でも、ラヴェルがいつか聞けなくなってしまうかもってのも怖い。どっちも欲しいなんて無理なのに、どっちも欲しがっている。単純な話じゃないけど、そういう欲張りなところが、優柔不断さに繋がっていて、だから押しに弱いくせにいろんなことが決めれないんだよなあと思いました。その前に、人間としての魅力が、動物としての魅力もゼロなので、そういう選択の場に至らないんだけれども。それ以前に、やることをきちんとやろう。清潔感、家事、仕事、挨拶、礼儀。

 

とまで思って、仕事に行くのがつらいな。自己啓発本を読むと、(自己啓発本を読んでいる自分が恥ずかしいけれども)なんだか頑張る気持ちが湧いてくるような気がするけど、一瞬の幻であった。なんか、恥ずかしい。仕事へ行くこととか、朝の挨拶とか、電話取ってるところ他の人に聞かれたりとか、報告どこまですれば良いのとか、稟議書回すまでの案件かどうかわからないとか、どう調整すれば良いのかわからないとか、相談する相手が誰にすれば良いのかわからないとか、上司とのコミュニケーションとか、政治力のなさとか、良い歳してとか、そういう恥ずかしかったりどうすれば良いのかわからなかったり、問題をいっぱい抱えている。けど、もともとものすごく内気な気質(の割に目立ちたがり)なので、引きこもりになっていないだけすごい!って自分を鼓舞している。スタンフォード大のなんたらとか、ハーバードのなんたらとかの本をうっかり借りてしまったので、自分も変わりたいなって思いながら、それ以前の問題だろ、っていう気持ちと、やりたいって気持ちがある。全部中途半端だ。

 

「女性向け デートクラブ」で検索し始めて、頭が末期だ。サイトを見ると若い人ばっかりで、もっと年上がいいのになあと思いました。それは生き霊男の面影を求めすぎているのでは?なんか、自分がそういうところを使っているところを想像して、惨めさと喜びに興奮して涙ぐんでしまった。多分、世界のどこかのパラレルワールドで、それって私の頭の中だけかもしれないけれども、私と生き霊男が結婚した世界が存在している、ということをしみじみ感じながらそういう面影のある男に金を払ってデートしてもらうんだ……というところまで妄想がいたって本当に自分が気持ち悪くなった。悲しいので、生き霊男が婿入りした時の苗字の姓名判断を見たら、よろしくなかったので、やっぱりこれで良かったんだって思えた。吹っ切れてはいない。私は、苗字が緑島さんと結婚すると最強の画数になるそうです。誰だよ緑島…。でも名前からしてかっこいいよ緑島。

 

眠れない時の最強飲料として、豆乳を温めたものの上に、きな粉を混ぜたホイップクリームをのせ、さらにその上にシナモンを乗っけて、ブランデーを少し混ぜるというカロリー大魔神みたいな飲み物を就寝前に飲むと罪悪感でとりあえず眠るしかなくなるよ。きな粉と生クリームを混ぜると、ガサガサで粉っぽいホイップができてすごく好きなのであった。それにプラス、シナモンの粉っぽさがなんとも好きなのであった。ホイップはふわふわしていて、ふわふわの夢の中に綺麗なままの生き霊男が浮かんでいる。