喪女の結婚

あるいは幽霊を見ないこと

霧の中を歩いている

写真が嫌いだ。小さい頃から本当に写真が苦手で、自分の姿が映されるというのが恥ずかしくて仕方がなかった。今も、同じなのだが、自撮りをすると自分の姿が客観的に見られるので、それを続けると綺麗になれると聞いて、自撮りをして見た。絶望して写真を消した。

もっと痩せれば。顔が小さくなれば。優しくなれば、頭が良くなれば。要領良くなれば。話が上手になれば、明るくなれば。才能があれば。肌が綺麗になれば。なれば、なれば需要があるとでもいうのか。いつも仮定の世界を見ていて、地に足が付いていない。そのことを自覚しているから、大変コンプレックスなのだ。

痩せたいなってずっと思っているけれども、私は痩せられない。もうずっと痩せられない。傷跡やシワや、セルライトや脂肪も含めて、私は私でしかないぞ、という気持ちがなんだか今突如湧き上がって来た。見れば見るほど醜い。

この体を治すんだったら何千万かくらいかかっても出してやりたいよ、と思うことがある。でも、これと生きていくほかないんだよね。

毎日虚しい。毎日苦しい。霧の中を歩いている感じ。多分、抜けることはないんじゃないのか?それとも私が、ペシミストってだけなのか?

そういえば、母の日だったけど、母はなんか今日はご機嫌が良くて、昔母の日は色々と苦い思い出があったので辛かったけど、なんか調子がいいなーとちょっと思った。しかし父が怒鳴ってテンションが落ちた。こんなことですぐ心が疲れるのは、私が弱いのか、周りがおかしいのか、わからなくなって来る。私が悪いのか、相手が過剰なのか、わからなくなって来る。