喪女の結婚

あるいは幽霊を見ないこと

自慰と物語と自慰

 恋人であるということは、一つの物語の共有であるということを小耳に挟み、

なるほどと思った。

私はあなたに会うために生まれてきた、という物語を互いに共有できることであるとのことで、あ、生き霊男に対しては完全に一方的な物語の押し付けだなあと思わざるを得ない。

完全に私の自慰である。それ故にみじめなのだ。

月の半分くらい、容赦ない死にたみに襲われている。

優しい同僚氏に全てを委ねてしまいたい欲求と、そうするともう生き霊男の顕現を味わうことはできなくなってしまうので、とても辛い。

所詮、誰にも認められない物語なのだった。

それでも書き続ける覚悟が、あるのだろうか。