喪女の結婚

あるいは幽霊を見ないこと

正しくないグラタン

グラタン衝動にかられることがある。居ても立っても居られないほどグラタンが食べたくなるのだ。ベシャメルソースに包まれたマカロニ、鶏肉、ほうれん草・・・。ほこほこ。しかしながら、生来の不器用さと辛抱のなさでベシャメルソースに成功した試しがなく、焦げ付いた茶色いドロドロを生成してしまう。いつのまにかベシャメルソースを作るという正道は諦め、正しくないグラタンを作っては欲求を満たしている。

 

あり合わせの材料(今日は、ハムと、ネギの端っこと、キノコと、いつのかわからないフジッリ)を炒めて、小麦粉を適当に振る。牛乳か豆乳かで伸ばす。チーズを乗せて焼く。ベシャメルソースの滑らかさはないが、ソースの鍋が要らないのでギリギリ気力が持つ。グラタンを焼いている時間は、大抵やきもきしてイライラしているが、何もしないでいることを許された待ち時間のようで、その間は何も有意義なことをしていない自分を許せるような気がして、たまにいい気分になるのであった。しかし焼きすぎて、ベシャメルソースとか講釈つける以前に水分が全て蒸発しもはやグラタンのグラタンらしさが失われたパリパリパサパサ物体を食みながら、胃袋をパンパンにするのであった。

 

ジムへ行って運動しても、その分食べるから意味がない。今日は、初めてのGUデビューをしようと思って(目当てはチェックのタイトスカート)いたけれども、踏切を超えるのが面倒くさくなって帰ってしまった。オシャレにかける根性もないから喪なんだよなーと思う。けど、イオンは田舎者の聖域だから、寒くてイライラしながらお買い物するくらいなら、お買い物モードで出かけたいのであった。手相占いがしたくって、なんかフラフラしていて、大丈夫かな、自分の精神が。