喪女の結婚

あるいは幽霊を見ないこと

相変わらずあなたにあって

生き霊男に会って

生き霊男は優しくて

でも隣人としての優しさで

当たり前だけど

寂しさをお定まりの感情として抱えて帰って

帰り渋ってもう一度姿を見ようとするなんてわざとらしくて

いじらしいような気がしてくる感傷のなせるわざです

 

もうここから出て行かなくちゃ

もうここから出て行かなくちゃならないって知ってるけど

もう少しだけもう少しだけって引き伸ばして

生きている

 

もうここから出て行かなくっちゃ

そうじゃなきゃずっと苦しいよ

あなたは苦しいよ

あなたが楽にならなくては

 

生き霊男に愛されなくてもいい

愛されなくてもいい

愛されなくても十分私には価値があるから

価値がある男に愛されなくてもいい

自分で自分を十分に愛せるから

でも愛されればそれはそれでいい

 

生き霊男は前世で生き別れた母親だと思う

今世で一目お会いできただけで

もうありえないことなのに

存在を認識していただいているというだけで

ありがたく思わなければならない

息が苦しい夜半、死にたいって検索しても答えを教えてくれない

グーグルですら