喪女の結婚

あるいは幽霊を見ないこと

ソの音の雨、あるいはライカ犬どもの検診

夢を見た。悪夢だった。週末火星に何かの病気を手術しに行かなくっちゃいけなくって、多分いぼ痔とかそういうちょっと人にいうには憚られる系の病気で、もしここで死んだなら会社の人にどう思われるんだろうかって思いながらロケットに乗り込んだ。

ロケットから、病院のある大きなステーションに移らないといけなくて、もし移動中に宇宙の藻屑になったり窒息死したらどうしようかと想像するとすごく怖くなった。このロケットの外には酸素がないと思うだけですごくドキドキして息苦しくなった。

多分、実際には肥満なので無呼吸状態に陥っていたのではないかと思う。だから息苦しかったのだろう。

でも実際ロケットから移動してみると窒息しなかったので安心したところまで夢の世界で、そこから現実の世界へ移行した。

既に朝の7時で、外から低いソの音がした。窓から見ると空に大きな金属パイプが横たわっていて、そこから響いているのだ。パイプには一列に細かな穴が空いていて、そこから水が滴り落ちている。そして地上は雨である。

と思ったら、家族がトイレの水を流した音の振動が、変に部屋の中に響いていただけだった。本当の現実へ帰ってきて安堵した。もう7時20分だった。こんなくだらないことを繰り返して、また遅刻しそうになる。雨が降ってきた。